施工業者への無用の「気兼ね」は禁物!

先週発売された「週刊文春」の、現在急成長中のローコストハウスメーカーによる欠陥住宅の記事が世間を騒がせている様です。
一部では「1棟1000万円を切るような格安住宅だから、欠陥があって当然だ。」との意見もあるようですが、建築基準法違反などの欠陥となると、価格が安いだけではすまされません。仕上げ材や設備のグレードは落としても、安全性・遵法性は徹底しなければ住宅業界の信用はいつになっても得られないでしょう。

さて、住宅を建築中の方や住宅を購入した方から受ける相談で比較的多いのが、施工業者に対して「どこまで手直しを要求して良いのかわからない」というお問い合わせです。
つい先日も、完成間際の現場の建築主から「ドアとドア枠の隙間の寸法が上下で異なるのを施工会社に言って直して貰って良いか?」との質問を受けました。

施工業者に対する気兼ねからか、あまり細かな指摘をしたら相手の気分を害してしまい、手抜きをされたり、工事が雑になる事を心配してしまう様です。
そして一般的な施工レベルがわからないため、「こんな事まで指摘して良いのか?」とつい弱腰になってしまう方が意外に多い様に思います。
自分では気になる事でも、「プロが見ているのだから間違いないだろう。」と妥協してしまいがちです。
きっと日本人特有の性格なのでしょう。

しかし私の経験から言うと、例え細かい事まで指摘したとしても、その事が原因で手抜き工事をされる事はほとんどないと言えると思います。
確かに手抜き工事は皆無ではありませんが、手抜き工事が発生する原因は他にあると思った方が良いでしょう。

私も住宅会社に在職中は立場上、たくさんのトラブルの場面に立ち会う事がありましたが、意図的に手抜きが行われたケースは皆無だったといえます。
むしろ何も指摘しない方が、住まいに対する思い入れが薄いと思われて、現場監督や職人の「やりがい」が薄れてしまいそうで心配になる位です。

現場で気になる点は積極的に質問して家づくりに参加しよう!

一部の悪徳業者を除いて現場で「ものづくり」に関わる人たちは、基本的には建築主に喜んでもらいたいと思っているはずです。
ですから、現場で気になる点や不満等があれば、気兼ねなく住宅会社の担当者に質問や指摘をして下さい。
住宅会社で見落とししている事もないとは限りません。プロでもミスしたり見落としする事はあります。
また納得のいく説明を受けられればそれで心配事はなくなりますし、万一説明に納得できなければ、第三者の専門家に相談しても良いと思います。
「口うるさいと思われると手抜きされる」と考えるのは全くの的外れです。
後で後悔しない為には、余計な気兼ねは止めて、遠慮なく指摘する様にしましょう。

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