なくならないシックハウス問題

厚生労働省は体調不良を引き起こす恐れのある化学物質として新たに三つを追加し、年内に正式発表して公表するとの方針がすでに報道されています。

シックハウスが社会問題化した2000年前後にホルムアルデヒド、トルエンなどの13物質について室内濃度指針値が定められましたが、今回15年ぶりに追加されるのは、テキサノール、2-エチル-1-ヘキサノールなどの3物質です。

テキサノールは水性塗料の溶剤に使われているもので、前回室内濃度指針値が定められた化学物質の代替として使われる様になったものですが、今回はこれがシックハウス問題を引き起こす原因となるとされています。
また2-エチル-1-ヘキサノールは接着剤や塗料に含まれています。

13物質の指針値が設定されて以降、建築業界などではこれらの使用を控える様になりましたが、シックハウス問題はその後もなくならず、一般住宅の新築時に起きた健康被害の相談は今でも多いといいます。

代替物質がシックハウスの原因になることも・・・。

これは規制に効果がなかった訳ではなく、原因の多くが指針値のない別の化学物質に移ったためとみられていて、これではいつまでたってもシックハウスの根絶には繋がりません。
シックハウスの原因となると思われる化学物質の使用をいくら規制しても、その代替品が新たな被害を引き起こしています。
また今回の改定では、キシレン、エチルベンゼンなどの4物質についても既に定めている濃度指針を強化するといいます。

しかし指針値はそれ自体に法的強制力はないので、建築業界がどこまで自主規制できるかが問題です。
建築、リフォーム会社によっても対応が違ってくるでしょう。
また数年後には、新たな化学物質が健康被害を引き起こす事が判明する恐れもあります。

こうしたリスクを抑えるためには、今のところはできるだけ自然素材を使う以外になさそうです。
そして素材選びを業者任せにせず、自ら学習する事も必要です。
また、室内の換気を十分に行う事もとても有効な対策になります。

万一のどや鼻の不調、頭痛、アレルギーの悪化などの症状を感じたら、早めに医師の診察を受ける様にすると共に、こうしたリスクを避けるためにも業者を選ぶ際には、「どのようなシックハウス対策をとっているのか」確認する事も重要です。

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