輸入住宅はココに注意!

私は昨年まで住宅会社のリフォーム部門に所属していましたが、リフォーム前の現場調査で欠陥住宅に出会う事も少なくありませんでした。
特に印象に残っているのが雨漏りだらけの輸入住宅です。

リフォームを依頼されたのは、閑静な住宅地に建つ延床面積60坪を超える豪邸で、玄関を入ると大きな吹き抜けと、アメリカの映画に出てくる様な装飾がほどこされた螺旋階段が人目を引きます。建築費も相当な額だった事は、誰が見ても明らかです。
ところが家にはいったとたんに、カビ臭さが部屋中に充満していて、すぐに異変を感じる程の状態でした。
2×4住宅で、外国人の大工が建てたとの事。サッシも木製の輸入品が使われていました。
雨漏れはこれらのサッシ廻りや、バルコニー、ウッドデッキと建物の取り合い部分などあちらこちらで発生していました。
サッシ廻りには防水テープなどは使用されておらず、バルコニーやウッドデッキと建物の取り合い部分の止水対策も不十分です。
シーリングのみで雨水の侵入を防いでいるだけでした。またサッシ自体の雨仕舞にも問題がありそうでした。
外壁を一部剥がして確認すると、シロアリ被害で壁の下地材や土台も既にボロボロの状態です。
他にも耐力壁の釘やビスの間隔などにも不安がありました。
新築工事を行った業者は既に倒産しているとの事で、最終的には雨漏れ修理と外壁の全面張り替え、腐食した壁の下地材や土台の交換を中心に工事を行いましたが、かなり大掛かりな工事になりました。

輸入住宅の雨漏りに注意!

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輸入住宅でこの様な欠陥が生じる背景には、やはり日本の気候風土と建築する建物が合っていない事は明らかです。高温多湿で梅雨のある日本の気候を理解していないと、その対策も疎かになってしまいがちです。建てた大工にも問題があったはずです。雨漏れは他の輸入住宅でも比較的多いのではないでしょうか。
見た目はまるで映画の1シーンにも出てきそうな住宅でしたが、実際に中で生活するとなると映画のセットとは異なります。
輸入住宅を建てる際には、雨漏れに注意する必要がありそうです。

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