昨日、40年間千葉県民に親しまれてきた商業施設「千葉パルコ」が閉店しました。平成3年をピークに近年は売上高が大幅に減少。賃貸借契約の満了とともに閉店する事になったそうです。跡地にはマンションと商業施設を併せた高層ビルが建つ予定だそうですが、私が高校生の頃から千葉では若者で賑わう場所のひとつだったので、とても寂しく思います。(昨日閉店セレモニーに行ってきました。)11月にはここ数年間ずっと工事中だった千葉駅ビルがリニューアルオープンし、エキナカ店舗も一部オープンした一方で、来年3月には「千葉三越」も閉店する事が決まっていて、時代の流れを感じます。
何事でも継続するのは大変です。
さて、失敗しない家づくりの話です。無事契約が終了すると、次は実施設計の打ち合わせと仕様打ち合わせを行います。ここからが本番で、まだまだ気を抜く事はできません。
実施設計とは、基本設計に基づいて、工事の実施および工費の内訳明細書の作成ができる段階まで、設計図書を細分化する設計作業です。簡単に言うと素材や構造、詳細寸法まで細かく記入した、施工に必要な図面を書く事です。主に設計担当者と打ち合わせをしながら進めていきます。また同時に、外装や内装の素材や色柄、住宅設備機器、照明器具、カーテンなども決定していきます。住宅会社によっては、インテリアコーディネーターから提案がある事もあります。
ここでは、見積書の内容の仕上げ材料などを、カタログやサンプルを見ながらひとつずつ確認していきますが、変更の希望がある場合にはこの段階で伝えます。その際、金額の差額がどの位になるのか、都度確認しておく事が必要です。これを怠ったばかりに、後で予想外の追加工事代金を請求されたなどという事例もたくさんあります。
本来ならば、住宅会社の担当者の方から差額費用を算出して伝えるべきですが、意外とこの様な作業を怠ってしまうケースは多いものです。
住宅会社の担当者は、施主の希望なので追加工事になるのは当然だと考え、施主の方も住宅会社が何も言わなかったので、差額はないと勝手に思ってしまう事もあります。この様な事態にならない様、住宅会社に要求してでも差額は計算してもらう様にしてください。
他には平面図をもとに、サッシや室内建具の種類や開き勝手の確認、立面図や展開図をもとに窓の高さや各部屋の天井高、収納内部の棚の高さや床のレベルなどを決定します。給水・給湯設備の位置や数、コンセント・スイッチなどの位置も重要です。
設計担当者の提案力が試される部分です。
また、これまでの打ち合わせ内容で図面に反映されていない項目や記入漏れの項目があれば、ここで伝えて、図面に加えてもらってください。
また、これらの打ち合わせ時の決定事項は、必ず打ち合わせ議事録として書面化し、双方で保管しておく事が後々のトラブル防止に役立ちます。
こういった事をしっかりと行う習慣のある住宅会社は比較的信用できますが、そうでない場合は要注意です。
後で必ず「言った、言わない」という次元の低い争いになります。
打ち合わせ内容は必ず書面化して記録に残す様、住宅会社へ要求しましょう。
ミスを防ぐためには、あいまいな取り決めを行わない事が特に重要です。
工事が着工してから決めるといった保留事項をつくるのは、できるだけ避けましょう。資材の発注が遅れて工期が遅れる恐れがあったり、発注ミスが起きる可能性もあります。
打ち合わせは多少時間がかかっても、迷ったら適当には決めずに、次回の打ち合わせまで待ってもらってじっくり検討する事も必要です。
意外と多い設計担当者のミス
また、相手が打ち合わせ内容をしっかり書面化する会社でも、電話で変更事項などを伝える場合は要注意です。
近年では、相手の携帯電話に連絡をする事も多いのですが、携帯電話の場合、相手がメモをとれる状況にあるとは限りません。電話など口頭で要件を伝えた場合は、後でメールやFaxを送るなどして、必ず書面にして残しておきましょう。
手間はかかりますが、一生に一度の高い買い物で後悔したくないなら、この程度の手間を惜しんではいけません。
そして、住宅会社のうっかりミスが生じやすいのが、あらかじめ伝えておいた持ち込み家具が、現場が完成してみたら入らないというミスです。家具寸法の採寸ミスや、家具の搬入経路を考えていなかった、引き出しの引きしろを考えていなかったなどが原因です。設計担当者は建築のプロだから決して間違う事はないと思うのは大間違いです。たくさんの仕事を抱え、どれも急ぎの仕事で余裕などなく、期限に間に合わせるだけで精一杯で、ろくにチェックもしていないとなればミスを起こすのも当然です。
他にも現場が完成するまでには、設計担当者のミスは意外と多いものです。平面図と立面図、意匠図と構造図の食い違い、仕上げ表への品番の書き間違い、ドアとドアの干渉、北側斜線の検討不足などのうっかりミスはたくさんあります。
ミスをミスと思わせないのも住宅会社の実力といえるので、建築主が知らないところで必死に挽回している事も多いのです。
すべて住宅会社を信用して任せっきりにするのではなく、自らも家づくりに参加して、自分でチェックできる事は自分でもチェックする事が失敗しないためには必要です。
ドアとドアの干渉(上)と無料で配布された千葉パルコ閉店記念ポストカード(下)