先週の土曜日に、千葉市内で開催された日本ホームインスペクターズ協会 関東エリア部会活動紹介会に参加してきました。
中古住宅の購入前に行う住宅診断は認知度は上がりつつあっても、まだまだ十分に普及しているとはいえない様です。
従来は建物について満足な情報が得られないまま中古住宅の取引が行われていたのに対し、専門家による建物調査を行ってから取引するというのは買主にとって大きなメリットになると思えるのですが、ホームインスペクションの利用率はさほど増えていない様です。
もしかすると市場のニーズとホームインスペクションで提供するサービスに「ズレ」があるのかもしれません。
ホームインスペクションをもっと多くの方に利用してもらえる様努力する事も「ホームインスペクターの仕事」だと実感しました。
さて、不動産情報サイト「HOME’S」などを運営しているLIFULL(ライフル)が発表した「中古住宅調査」によると、中古住宅の購入者420人のうち、64.3%が売り出し価格よりも安く購入できたといい、500万円以上値引きした人が6.2%(26人)もいたそうです。
中古住宅の売り出し価格は、近くの類似物件の取引事例をもとに決める事が多いと思いますが、売主の「売りたい価格」でとりあえず売りに出すケースも少なくない様です。
そして価格が妥当だったかどうかは、実際の所誰にもわからないのが実情でしょう。
冒頭の「中古住宅調査」では、ホームインスペクションを依頼した人では「売り出し価格よりも大幅に安く購入できた」という人が20.9%もいたといいます。
どんな理由だったのかは不明ですが、ホームインスペクションの結果が値引きの原因になったと思われます。
誰にも分らない中古住宅の適正価格?
このような日本の中古住宅の価格の不透明さが「中古住宅流通の活性化」が停滞している大きな原因になっている事はほぼ間違いありません。
建物の性能も劣化具合も品質もインスペクションで評価されていないのでは、建物に関しては適正価格も何もありません。
またホームインスペクションをやるのとやらないのとで価格が大幅に変わってしまうのでは、安心して取引する事もできません。
中古住宅の価格を透明化させる事は、今後一層大きな課題となるでしょう。