リフォームの値段が業者によって大きく異なる理由

弊社は千葉県にあるホームインスペクションの会社ですが、リフォーム会社の見積もりチェックも行っていますので、「リフォーム会社の見積金額が妥当なものなのかどうかをチェックして欲しい」という依頼が度々あります。

複数の業者から相見積もりを取ると全く同じ工事内容なのに、A社が100万円、B社が125万円、C社が150万円になるなど、リフォームの見積金額は工事を依頼する会社によって大きく変わってしまうことが珍しくありません。
中には業者によって2倍近くになるケースもありますが、価格が高いからといって悪徳業者といえるのかというと、必ずしもそういうわけでもありません。

ではなぜそのような価格差が生まれてしまうのでしょうか？
リフォーム費用を節約するためには、工事の依頼先によって価格差が生じる理由を理解しておく必要があります。

リフォームの依頼先は大きく分けると、➀リフォーム会社やハウスメーカー、➁工務店、塗装工事業者、内装工事業者などの専門工事店、➂個人事業主である職人さんの3つになります。
500万円未満のリフォーム工事には建設業の許可が不要なので、個人でリフォーム工事を請け負っている職人さんも少なくありません。

仮に大工さんが1日仕事でできるリフォーム工事を➀～➂の3社に見積依頼したとしましょう。
➂の大工さんに直接依頼する場合には、1日の手間賃と材料代に交通費を加えた程度の見積金額になると思います。
手間賃が2万円、材料代が1万円、交通費が5千円であれば、見積金額は3万5千円です。

また同じ工事を町場の工務店に見積依頼した場合にも、工務店は直接大工さんを抱えているので、自社で工事を行うことが可能です。
しかし大工さんに支払う費用が3万5千円かかると共に、会社の経費や利益を見積もりに上乗せする必要が生じてしまいます。
利益率を20％とした場合には、4万3千750円が見積額になります(8,750円が工務店の利益)。

では、リフォーム会社やハウスメーカーに依頼するとどうなるのでしょうか。
リフォーム会社やハウスメーカーでは、直接大工さんなどの職人さんを自社で抱えていないことがほとんどです。
社員は営業マンや現場監督、設計担当者、事務職だけなので、工事は工務店などの下請け業者に外注することになります。
この場合には、先程の工務店の見積金額4万3千750円が原価になり、見積もりにはこの金額に会社の経費と利益が上乗せになります。
会社組織となっている住宅会社では、社員の給与や事務所の賃料、車両費、通信費、保険料、広告宣伝費などの経費がかかるので、会社を健全に運営していくためには30～35％の粗利が不可欠とされています。
したがって見積金額は6万2千500円から6万７千円程度に跳ね上がってしまうのが一般的です。(18,750円～23,250円が粗利益で、ここから経費を差し引いたものが会社の利益になります)

これは少額なリフォームのケースですが、大規模なリフォームの場合でも基本的な考え方は同じです。
工務店に依頼すると500万円でできる工事が、リフォーム会社やハウスメーカーの見積では700万円以上になってしまうことが珍しくないでしょう。
したがって、直接職人さんや工務店に依頼した方が圧倒的に工事代が安くなるケースがほとんどです。

リフォーム業者の選定はケースバイケースで！　迷ったら専門家に相談を！

しかし住宅リフォームでは、金額が安ければ必ずしも良いとはいえない点が難しいところです。
特に大規模リフォームで複数の職種の職人さんが必要になる場合には、個人の職人さんに依頼するとかえって費用が高額になってしまうこともあります。

リフォーム会社やハウスメーカーでは自社で施工を行わない代わりに、顧客の要望をきめ細かにヒアリングしてプランを作成し、資金の相談などにも応じることができる営業マンや設計担当者、現場管理を行う現場監督などが在籍しているので、より満足度が高いリフォームが実現できる可能性が高くなります。
(ただし近年では営業マンや設計担当者を抱えた工務店や、自社で職人さんを抱えたリフォーム会社などの例外もあります)

したがってリフォーム会社やハウスメーカーにリフォームを依頼する際には、提案力や現場の品質管理が鍵になります。
住宅会社は、満足度の高い住まいづくりを行うためのコンサルをして利益を得るものなので、提案力や品質管理が十分でなければ、高いお金を払う意味がありません。
要は価格に見合うだけのサービスや品質が確保されるかどうかが重要になります。
価格が高い分で安心感や満足度を買うともいえるので、「満足度の高い提案内容なのか」「現場での品質管理は下請け会社に任せっきりではなく、自社でしっかりと行われるのか」などを十分に吟味した上で業者を選定することが重要です。

尚、外壁塗装工事や壁紙の貼り換え、住宅設備機器の交換などの単独工事の場合には、専門知識を持った塗装業者や内装工事業者、設備業者などの専門工事業者に依頼した方が低価格で高品質な工事が期待できることが多いので、ケースバイケースで臨機応変に対応する必要があります。
しかしそうはいっても、これを一般の方が判断するのは簡単なことではありません。

弊社では、リフォーム会社の見積書チェックやリフォーム会社選定のお手伝いなども行っていますので、お気軽にお問合せください。

yjimage[4]

⇒ 千葉市のホームインスペクション専門会社匠住宅診断サービスTopへ戻る