底上げが必要なリフォーム業界

完成したリフォーム工事に不満のある方からの電話問い合わせが時々あります。
「施工品質に納得できないので、専門家に見て欲しい」という内容です。
新築物件ではこの様な問い合わせを受ける事はあまりないのですが、1か月に1度位の割合で、リフォーム工事に対する不満の声が寄せられます。

私自身も過去に長く関わっていた住宅リフォーム業界。
現在、客観的な目でこの業界を見ると、改めて数多くの問題があることに気付きます。

リフォーム業に携わった経験のある建築技術者ならわかると思うのですが、住宅リフォームは本来、新築以上に経験と専門知識が必要で、現場で頻繁に発生する問題にも柔軟に対応しなければいけません。
いくら新築経験豊富でも、リフォームには消極的な建築技術者は多いと思います。

それにもかかわらず、同じ会社の中でも、リフォームは単価が低いために、リフォーム部門の担当者は新築部門の担当者よりも低く見られがちで、工事も下請け業者に丸投げできる事から、素人が少し経験しただけで独立するなど、建築レベルの低い対応をしている会社が多いのも事実です。

住宅会社の経営者も、建築を知らないリフォーム会社の社員(営業担当者が多い)も、住宅リフォームを「誰でもできる商売」と思っている傾向があります。
確かに住宅リフォームには、建設業というよりも、サービス業としての顧客対応が求められるケースが多いのですが、リフォーム会社で少しばかり契約までの営業トークや、プレゼンツールなどの営業テクニックを身に付けただけでは、独立した後でトラブルを避けられなくても当然です。

リフォーム会社の建築レベルの見分け方

建築レベルが高くない会社に依頼しても、職人のスキルが高ければ、必ずしも施工品質が低くなるとは言い切れませんが、すべては職人次第になってしまいます。
では、リフォーム会社(担当者)の建築レベルは、どの様にして見分ける事ができるのでしょうか?

リフォーム会社の建築レベルを見分けるための簡単な方法があります。
まず、リフォーム会社の社員が最初に訪問して現地調査を行ったにもかかわらず、後日改めて大工や職人をたくさん連れて現場調査をするようなケースでは、見積もりも施工も職人任せという場合がほとんどです。
下請け業者が出す見積もりに、自社の利益を上乗せしただけの見積書を作成して提出しています。
また、工事内容にもよりますが、比較的大がかりなリノベーション工事でも、簡単な間取り図やプレゼン用のCGのみで済ませてしまって、図面を描かない会社(担当者)も要注意です。
プレゼン用の図面は、あくまでも建築のプロでないお客様にイメージを伝えるものであり、大工や職人に対しては、図面で指示する必要があるのはリフォームも新築も同じです。
図面がないのは図面を描けないためで、細かな寸法や細部の納め方などは全て現場任せで、工事中もノーチェックで進む可能性が高いです。

少しでも思い当たる点があったら、「プロ」だと思って依頼した相手が、実は建築に関しては素人だったという事にもなりかねません。
冒頭でお話したリフォーム工事の不満は、この様な業者に依頼した事が原因だった事が多い様です。
打ち合わせを行う過程で、少しでも疑問や不安を感じたら、妥協しないで契約するのを再検討した方が良いでしょう。
探せば他に良い仕事をするリフォーム業者がたくさんいます。
リフォーム業界では決して珍しい事ではないので、後で後悔しないように慎重に業者を選んで欲しいと思います。
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