中古住宅購入前にホームインスペクションを行う方は、まだまだ多くはありません。
中にはホームインスペクション済みの物件として売りに出されている物件もありますが、その数もまだほんの僅かです。
不動産情報サイト「アットホーム」では、ホームインスペクション済みの物件が掲載されていて、検索できる様になっていますが、検索してみると千葉市内ではたったの1件でした。(1月31日現在)
早く多くの方に認知してもらえる様になると良いと思います。
さて、先日中古住宅を購入して引き渡し後に大規模リフォームを行ったお客様からの依頼で、完成検査を行いました。
購入前のインスペクションは行っていなかったので、リフォーム前の状態は販売図面や物件資料で確認するしかなかったのですが、完成現場を見る限りは、お世辞にも施工品質が良いといえるものではありませんでした。
当然指摘事項も数多くありました。
当日はリフォーム会社の担当者も立ち会っていたのですが、現場の事はあまりわからない様子で、施工は下請け業者に丸投げしていた様でした。
リフォームで失敗しないために、第三者に検査を依頼する事は必要な事ではあるのですが、実はそれ以上にリフォーム計画や見積書のチェック、業者選びなどのスタートの段階が特にリフォームでは重要になると思います。
リフォーム工事で第三者へ相談する際はなるべく早い段階で!
リフォームの場合は、現状の問題点をどのような方法で、どこまで工事を行い、どの様に仕上げるのかという工事計画が最も重要で、これによって工事の出来栄えはほとんど決まってしまうと言って良い程です。
ゼロから作る新築住宅と異なり、リフォーム工事の場合は、既にあるものにどこまで手を加えるかの判断が大切です。
工事計画が良ければ、後は計画通りに作業を進めれば良いだけですが、初めの計画が甘いと、材料や職人の手配がメチャクチャになって、品質管理どころではなくなってしまうからです。
そして仕上がりはパッと見は同じ様に見えても、そこに至る過程はリフォーム会社によって大きく違う事も少なくありません。
ほんの少し手を加えるだけで、建物が長持ちする様になったり、見栄えがずっと良くなる事もあります。
ところが後から指摘しても、当初の計画や見積書に含まれていない工事は、契約内容に入っていないからと拒否されてしまう事もあります。
また今回の現場の様に、見積書では床に捨て貼りを行う(仕上げ材の下に合板を貼る)様になっていたのに、施工されていなかったという様な事もあります。出来上がってしまえば一般の方にはわかりません。
そして、施工技術やスキルが未熟な会社に検査で厳しく指摘して、何度やり直ししてもらっても、満足できる仕上がりにならない事もあります。
その様になってしまうと、後は発注者側で妥協するしかないのです。
この様にリフォーム工事の成否は、業者を選んで契約した段階で、ほぼ決まってしまうと言っても過言ではありません。
そうならないためにも、第三者に依頼する際には、なるべく早い段階で相談する事をお奨めします。