あてにならない住宅会社の坪単価

この時期は、盆休みの連休のためか、ホームインスペクションの仕事がありません。
開業してほぼ1年が過ぎ、年間を通して依頼が多い時期と少ない時期とが何となく分かってきました。
ホームインスペクションの依頼が少ない時期に、どの様にして収入を得るのか、今後の事業計画や新たなサービスメニューを考えなければなりません。

さて、新築住宅を建てる時、住宅の坪単価は、住宅会社を選ぶ上でも大事な要素だと思っている方は多いと思います。
しかし、住宅会社の坪単価は実際には、あまり役に立ちません。

坪単価は、一般的には、家1軒の工事金額を延べ床面積(坪数)で割ったものと思われていますが、実はこの計算方法には、住宅会社に共通のルールはないのです。住宅会社は、少しでも坪単価を安く見せようとして、様々な計算方法で坪単価を算出しています。

住宅の坪単価のカラクリ

坪単価には、電気やガス、上下水道の引き込みや外構工事などは含まれていないのはどこの住宅会社も共通ですが、パンフレットなどに掲載されている坪単価は、総二階で建物形状は正方形、サッシは全て引違いで雨戸なし、収納は各部屋に1か所、玄関ポーチなし、建物外部の給排水配管は別途等、最もコストのかからないモデルプランを作成して、計算しているのです。
そして、坪単価は、延床面積が大きくなればなるほど安くなるのは言うまでもありません。
大手ハウスメーカーの現実の坪単価は、およそ40坪の家でも80万円以上です。
また、30坪の家を建てるのに、50坪の家で算出した坪単価は全く参考にもなりません。
住宅会社によっては、延床面積に含まれない吹き抜けや小屋裏収納なども面積に加えて計算している場合もあります。

この様に、住宅会社ごとに計算方法が異なる坪単価で比較しても、あまり意味がありません。
この事は、住宅会社の人間なら誰でも知っている事なのです。

それでも住宅会社が少しでも坪単価を安く見せようと躍起になるのは、消費者が住宅の坪単価を重視して、住宅会社を選ぶからにほかなりません。正直に坪単価を提示していたら、誰にも振り向いてもらえなくなってしまいます。
実際に自分の家のプランで見積もりしてもらったら、パンフレットの坪単価とかけ離れた金額になる事も珍しくないのです。
また、パンフレットに記載された坪単価で実際に家を建てた人はほとんどいないでしょう。

住宅はただ器だけ作っても、実際にそこで生活できなければ意味がありません。住宅会社に坪単価を訊ねる際には、少なくとも生活可能な状態での金額を提示してもらう事が重要です。

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