日本建築学会は14日、震度7の地震を2回記録した熊本県益城町で、耐震基準が強化された2000年以降に建築されたとみられる木造住宅のうち、最大17棟が全壊したとする調査結果を明らかにしたそうです。
今後、耐震基準の見直しが行われる可能性が高いと思いますが、全壊した原因として設計の不備や施工不良、メンテナンス不良等がなかったのかどうかを詳しく調査した上で、基準の見直しをして欲しいと思います。インスペクションを行っていると、2000年以降に建築された物件でも明らかに耐震性が損なわれている物件も存在しています。過剰な耐震基準で費用が高額になり、耐震補強工事を躊躇してしまうケースが増えない様にする事も大切です。
東証REIT指数と不動産市場
さて、知り合いの不動産業者によると、不動産バブルの崩壊がすでに始まりつつあるといいます。
東証REIT指数が下降基調となっている事から、3年以上上昇を続けてきた不動産市場の潮目が変わったといえるそうです。
実は私も少額ではありますが、J-REITに投資を行っています。私がかつて施工管理を行ったマンションが、ある不動産投資法人のポートフォリオに組み入れられているのがきっかけでした。REITの配当利回りが平均4.24%というのも、他の金融商品と比較しても魅力がありました。
しかし、多くの不動産投資のプロが投資しているREIT価格が下落傾向にあるというのです。
都心のマンションの購入価格が上昇した事により、物件を購入して賃貸した際の運用利回りが下がった事、都心マンションの空室率が上昇した事により、投資利回りの低下が予想される事などが原因となって、都心マンション物件に多くの投資・運用しているREITの分配金の低下が不安材料となっていると思われます。
また、熊本地震の影響も少なからず出てきそうです。不動産を運用する際には、震災等のリスクは非常に大きなネックとなるためです。
投資資産に組み入れられている資産が倒壊したり、被害を受ける様な事にでもなれば、配当金の支払いや投資口価格に大きな影響があります。
また、大きな建物被害をもたらした今回の地震は、不動産の購入意欲を低下させるだけの影響力もあります。
投資家からの資金が調達できずに、運用不動産の取得ができない、取得資金はあっても、リスクを考えると慎重になるなどの変化が生じている様です。
このような状況の中で、今後の不動産市場がどのようになっていくのか注意深く見守っていく必要があるでしょう。