リフォームのトラブルを防止するために その3

台風18号は暴風域を伴ったまま5日にかけて日本海を進み、西日本から東日本に接近する見通しだといいます。
引き続き台風の進路について注意が必要です。
今年の台風の上陸数は、9/29現在ですでに6回を数え、2007年以降の過去10年間では最も多いそうです。
因みに去年は4回、2008年は0回だったそうです。
やはり地球温暖化の影響なのでしょうか。

さて、リフォームでは、仕上がりに対する不満も少なくありません。
「思っていた程綺麗にならなかった」というのが原因です。

リフォーム工事には新築工事と違う特性があります。
施主も施工会社も、リフォーム工事の特性を充分理解しないまま工事を進めると、思わぬトラブルを招いてしまいます。

リフォーム工事の最も大きな特性は、全てをゼロから作るものばかりでないという事です。
トラブルを避けるためには、着工前に施主とリフォーム会社で、工事を行う範囲や工事の進め方、施工方法などを充分話し合い、お互いが理解しておく事が重要です。
壁や床の下地は全て作り換えるのか、既存のものを利用して仕上材だけをやり換えるのか、また、既存を利用した場合にどの様な問題が起こる可能性があるのか、どんな事が直せないのかなどの説明が不足していると、トラブルになるのは必須です。

よくある例としては、壁の下地は既存のままで壁紙の貼り換えだけを行ったが、壁の凹凸が以前よりも目立つ様になった、マンションの床をカーペットからフローリングに変更したが、床鳴りが酷い、床だけ下地から作り換えて、壁際に家具を設置したら、家具の上部にだけ壁との間に隙間ができた、工事を行わない部屋の入口のドアに、いつ付いたかわからない傷が付いていたなどです。
全てを作り換えればこの様な問題は発生しないのですが、リフォームの予算を節約するためには、できるだけ既存を利用したいのが施主の本音です。

不測の事態を予想する事がリフォーム成功の秘訣

また、リフォームではいざ解体してみると、使用する予定だった下地の損傷が酷く、やり換えや補修をしないといけなくなる事もあります。施主の了解が得られず、そのまま工事を行うと、仕上がりに難が出てしまうのは当然です。

そしてリフォームでは、リフォームを行った新しい部分と工事を行わない古い部分の接合部分(取り合いといいます)で、不具合を生じる事が少なくありません。雨漏りや床鳴り、配管の水漏れなど、元々の既存部分の不具合が原因なのか、リフォームを行った事が原因となって既存部分に不具合が生じたものなのかは、原因究明が困難です。
施主としてできる対策は、この様な不測の事態が生じた時に、誠実な対応を約束してくれるリフォーム会社に発注する事しかありません。

この様に、想定外の事が発生するのがリフォーム工事の難しさです。
あらかじめ想定外の事が起きる事を予想して、予算や工期に余裕を見ておく事がリフォーム工事を成功させる秘訣です。

今年になって、ヤフーや楽天もリフォーム業界へショッピングサイトで、本格的に事業参入を始めました。
昨年には、アマゾンのリフォーム参入がすでに発表されています。
追加工事費用がない定額パッケージ販売となるようです。
また、定額リフォームの先駆けともいえる業界最大手の住友不動産では、従来からの全面リフォームのみでなく、少額工事の定額リフォームパック商品の販売を開始しています。帖数×2万円という非常にシンプルな価格です。
定額リフォームで、この様な事前の説明がきちんとできるのか心配になります。
これらの定額リフォームを行う場合でも、工事を行う範囲をあらかじめ明確にしておかないと、トラブルになる可能性が高いと思います。
価格は予算内でも、工事の仕上がりや見えないところが不満だらけでは、決して良いリフォームとはいえません。

illu21

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