KYBによる偽装公表に続き、先日川金コアテックが販売したオイルダンパーにもデーター改ざんがあったことが明らかになりました。
今後住宅用の制震ダンパーにも波紋が広がりそうで心配です。
さて、9月に発生した台風21号による被害状況の詳細報告が様々な媒体に掲載されています。
住宅被害が多く発生した地域では、最大瞬間風速が50m/秒を超えたところもあり、最大風速でも建築基準法で定める基準風速を上回りました。
こうした地域では、風下側に傾いてしまった家や、屋根が丸ごと飛ばされた家も少なくなかった様です。
古い住宅では、屋根の垂木(下地材)が釘だけで桁や母屋に固定されているので、接合強度不足で垂木ごと吹き飛ばされてしまうケースが多い様です。
また屋根材別では、金属屋根などの軽い屋根材ほど被害を受ける危険性が高くなります。
屋根の軽量化リフォームは住宅の耐震性を高めるのに効果があるので、瓦から金属屋根への葺き替えが盛んに行われています。
一方、台風被害を受けやすくなるので、屋根を軽量化する際には併せて接合部を補強しておくことが大切です。
金属屋根には特に注意が必要!
金属屋根は1枚の寸法が大きく、つなぎ合わせて一体化するので、つなぎ目の隙間や軒先の端部に大量の風が吹き込むとめくれ上がってしまいます。
築年数の古い家だと、野地板(屋根の下地板)が結露により劣化していて、屋根材を留める釘が抜けてしまったケースもある様です。
一方瓦葺きの屋根でも、釘で留めずに銅線でくくりつけているだけの棟瓦や瓦が飛散したという事例もたくさんあります。
今後、過去に類のない自然災害が発生する可能性は、極めて高いと思われます。
建築基準法には2階建て木造住宅などの小規模建築物の小屋組みや屋根葺き材の固定方法に関する仕様規定がないので、住宅会社によって施工方法が異なります。
住宅金融支援機構の標準仕様や屋根材メーカーの施工マニュアルをもとに施工するケースが多いと思いますが、それだけで絶対に安心とはいいきれません。
野地板と垂木、垂木と軒桁、垂木と母屋、母屋と小屋束などの接合部を金物で緊結したり、屋根材メーカーが示す耐風仕様で施工するなど、どのような台風対策を行っているのか、住宅会社に確認しておくことをお奨めします。