いよいよトランプ氏がアメリカ大統領に就任します。
就任式では抗議デモなども予想され大荒れとなりそうですが、就任演説で何を語るのか注目です。
さて我が国では近年、住宅の一次取得者である30代の平均年収は伸び悩みの傾向にあり、新築住宅を取得することの困難さが増しています。
こうした中では、新築住宅ではなく、既存住宅を取得しようとする人が増えるのは、自然の流れです。
しかし繰り返し述べてきた通り、我が国の全住宅流通量に占める既存住宅(中古住宅)の流通シェアは15%以下で、欧米諸国の1/6程度という低い水準にあります。
我が国で既存住宅が流通しない最大の原因は、既存住宅が築年数だけで価値を判断されてしまう事と併せて、新築物件と比べて物件ごとの建物の情報が少なく、品質や性能が不明なため、大きな不安を抱えている点にあります。
「新築物件よりも問題が多そうだ」、「心理的に抵抗感がある」、「後から欠陥が見つかると困る」、「意外と値段が高い」、「性能や特徴がよくわからない」などが主な理由の様です。
既存住宅の流通シェアは本当に拡大するのか?
このため、中古住宅を購入する際に、安心できる物件かどうかを判断できる診断サービス(ホームインスペクション)は、非常に重要な役割を担っています。
また、その建物がいつ、どのようにして建てられ、どのようにメンテナンスやリフォームされてきたのかといった住宅履歴情報も重要になります。
これからは住宅の所有者も、建物の資産価値を高めていくためには、定期的に建物診断やメンテナンス工事を行い、それを履歴としてきちんと残していく事が求められる様になります。ホームインスペクション終了後に発行される建物調査報告書などは、建物の情報として大切なものになるはずです。
中古住宅においても、性能評価基準の見直しや性能表示、瑕疵保険の普及、長期優良住宅認定の取得などが拡大していく事で、消費者の不安払拭に向けての市場整備が進む事が期待されます。
今年は中古住宅流通市場から目が離せない一年になりそうです。