ホームインスペクションを行っていると、点検しやすい家と点検しにくい家があります。
そして点検しやすい家=メンテナンスしやすい家、点検しにくい家=メンテナンスしにくい家といえるので、家の点検のしやすさは住まいを選ぶ上での重点項目だと思います。
さて、床下点検を行うため、人が通れるようにあらかじめ床下の基礎に設けた人通口。
しかし床下点検を行っていると、通れない人通口をたびたび見かけます。
人通口の前後に配管や床束などがあって、先に進む事ができなくなっている事は少なくありません。
先日ホームインスペクションを行った家も、配管で人通口が塞がれていて、一部侵入することができませんでした。
これでは何のために人通口を設けたのかわかりません。
もう少し工夫して配管していたら、何とか通れたと思います。
配管の位置をあらかじめ図面上で決めておいて必要に応じてスリーブを入れておいたり、配管を通す位置や経路を現場監督が水道業者に指示していれば、こうした事態は防げるのです。
人通口は床下の点検や防蟻工事等のために床下全体に侵入できる様に設置するものなので、侵入できない部分があると今後の点検やメンテナンスに大きな支障が生じます。
住宅現場では現場任せの施工が多いので要注意!
木造の戸建住宅の設計では、給排水の配管図面を作成しない事が一般的なので、配管経路はほとんどが現場任せになります。
人通口周辺に配管がある場合には、配管は人通口を通したり、人通口の直前直後を横断させないなどの配慮が必要です。
現場監督や職人の意識や気遣いによって、こうした部分の施工で優劣が分かれてしまう事は現場では少なくありません。
そしてそのような不具合は、完成検査では誰も指摘する人がいないため見過ごされてしまいがちで、後になって発覚する事が多いので注意が必要です。
役に立たない人通口の例
また配管廻りの床断熱材が大きく欠きこまれています。
こうした施工はよく見かけます。