現在、我が国では人口が減少傾向にあり、今月11日に発表された住民台帳に基づく2018年1月1日時点の人口動態調査では、9年連続で減少になりました。
人口が減少して空き家問題が大きな社会問題になっているにも関わらず、新築住宅の供給は依然として止まりません。
空き家が増える最大の要因は、明らかに住宅の供給過剰にあるのですが、抜本的な対策が行われずにいます。
そんな中で、誰にも活用されない空き家が増えるのは誰が見ても明らかなことでしょう。
10年後には4軒に1軒が空き家になるともいわれています。
そうなってしまうと、利用価値のない老朽化が進んだ空き家は、もはや資産どころではなくなってしまいます。
一方空き家の所有者にとっても、何もしないで放置しておくだけでは固定資産税や都市計画税といったコストがかかるだけです。
また、自ら所有していない場合でも、ある日突然相続が発生して空き家問題の当事者になってしまう事もあります。
家は人が住んでいない状態が長く続くほど、加速度的に老朽化が進んでしまうので、できるだけ早いうちに何らかの対策をする必要があります。
しかし何とか有効活用したいと思っても、長い間放置され続けてきた空き家の中には、老朽化が進んで継続利用が困難なものも少なくありません。
古い空き家には、貸すにしても売却するにしても大きなリスクが伴います。
運よく借り手や買い手が見つかったとしても、借主からクレームを受けたり、買主から瑕疵担保責任を求められる不安があります。
空き家を有効活用する際に、インスペクションが不可欠!
一方、建物は古くても今ではなかなか手に入れることができない貴重な材料が使われていたり、歴史的な価値が高いと思われる家には、修理してでも有効活用する価値があります。
建物の本当の価値は築年数だけで決まるものではありません。
空き家の有効活用を検討する際には専門家によるホームインスペクションを行い、建物のコンディションを正確に把握しておく事が今後の対策を立てる上で有効な手段の一つになります。
家の不具合は、そこに住んで日々使用する事で気付く事が多いと思います。
住んでいなければ、どこに不具合があるのかほとんどわかりません。
継続利用が可能な建物なのか、継続利用するためには修繕に最低いくら位かかるのか、などの専門家によるアドバイスを受けておけば、具体的な対策が立てやすくなるでしょう。
また、必要に応じて事前に補修工事等の対策を講じておくことで、トラブル回避にもつながります。
リフォームに詳しいホームインスペクターであれば、できるだけコストを抑えてリフォームする方法や、今後のメンテナンス計画などのアドバイスを受けることもできます。
空き家問題は放置しておいても何の解決にもなりません。
放置すればするほど老朽化が進み他の空き家も増えるので、ますます活用することも処分することも困難になってしまいます。
問題を先送りせず、まずはできる事から行動を起こす事が大切だと思います。