温故知新  その弐

東京の街を歩いていると、時々独特のオーラを放つマンションを見かける事があります。
古いけれど明らかに他の建物とは違う趣と重厚感がある集合住宅。
ヴィンテージマンションと呼ばれるものです。

ではヴィンテージマンションの定義はあるのでしょうか?
都心の人気エリアに建つ歴史あるマンション、有名建築家により設計されたマンション、ハイグレードな居住用物件として
建築された当時のステータスの象徴・・・などと言われていますが、その解釈のしかたは人それぞれの様です。
しかし、モダニズムだとか機能美とかデザイン面で語られる事は多くても、耐震性や断熱性といった建物の性能面で語られる事はあまりない様です。

ヴィンテージマンションが教えてくれる事

ヴィンテージマンション2 (2)ヴィンテージマンション2 (1)

この様な歴史的価値の高いマンションに今も住んでいる方は、建物の基本性能よりも利便性や品格、ステイタス性などを
重視しているのかもしれません。
そもそも常に最新のものがベストであるとの考え方が見直されつつあります。
住宅以外でも古着や旧車などもブームとなっています。

建物はマンションであっても戸建であっても他の商品と同じ様に、築年数が増せばその価値は下がっていくのが普通です。
モノである以上、経年劣化は避けられません。
しかし、しっかりと建てられて適切なメンテナンスを受けたものは、年を重ねるごとに熟成され、味わいや風格を醸し出す
様になるはずです。
 
ヴィンテージマンションは既存の不動産価値の概念に疑問を投げかけている様に思えます。
やがて我が国の不動産市場も他の先進国と同様に、中古住宅中心となる日が来るかもしれません。

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