改めて「ホームインスペクションって何?」

いよいよ来月から施行される宅建業法の一部改正を前に、ホームインスペクションが少しずつ注目されるようになりました。
今月になって、不動産業者様からの問い合わせも増えています。
今後、ホームインスペクションを新たに事業の一部として加える建築設計事務所やリフォーム会社、不動産会社の系列会社などが増えるものと思われます。

国内でホームインスペクションという仕組みができてから、住宅雑誌や業界紙、インターネットなど様々な媒体でホームインスペクションが紹介されていますが、一方ではこれから住宅を購入しようとする方の中には、ホームインスペクションについて全く知らない方も多いと思います。
私自身は仕事柄、こうした記事を目にする機会が多いのですが、ホームインスペクションを行っている当事者として、その本質を語っていると思えるものを目にする機会はそんなに多くありません。

そんな中で、リノベーションマンション情報サイトRENONAVIに掲載されたコラムが、比較的わかりやすくホームインスペクションについて書かれているのでここで紹介したいと思います。
http://renonavi.jp/column/renovation/4517/
ホームインスペクションが「中古+リノベ」スタイル成功のカギ! というコラムです。
ホームインスペクションの進め方や問題点がやさしく解説されているので、興味のある方は一読される事をお勧めします。

ホームインスペクターは買主自らが探す事が重要!

さて、今回の法制化により不動産仲介業者によってホームインスペクターが紹介・あっせんされる様になると、様々な弊害が生じる可能性があります。
中でもホームインスペクション先進国の欧米で過去にあったような、不動産業者とホームインスペクターの癒着が最も懸念されます。
不動産業者と繋がりのあるインスペクターによる報告が、「事実をありのまま伝える」可能性は低いでしょう。
また、不動産仲介業者が意図的にホームインスペクションを利用しない方向に誘導する恐れもあります。
これらの事は、不動産取引が不動産業者主導で行われる我が国の現状では避けられない問題です。

一方では、国土交通省が推進する既存(中古)住宅の診断員(既存住宅状況調査技術者)は建築士が条件となっていますが、たった一日の講習を受けただけではまともなインスペクションができるはずがなく、やがて様々なトラブルが起きる事は建築現場を熟知する人にとっては明白です。

そこで最も重要な事は、買主自らが信頼できるホームインスペクターを探して依頼する事だと思います。
そのためには、まだまだ認知度が不足しているホームインスペクションについて、広く伝える事が益々必要になると実感しています。

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