千葉県の住宅診断専門会社匠住宅診断サービスです。
ホームインスペクションの普及と同様に、国内の中古住宅流通市場が活性化するための有効な手段のひとつとして期待されているものにホームステージングがあります。
ホームステージングは中古住宅の流通量が多い欧米諸国で盛んに行われているもので、1970年代にアメリカで提唱された手法だといわれています。
中古住宅の売買時に、空室物件では家具や小物類を配置して入居後の暮らしがイメージできる様にし、在宅物件内では片付けなどをしながら居住空間を演出します。
これによって購入希望者の購入意欲を高め、「より早く」「より高く」売却することを目的とするものです。
ホームステージングの費用と効果は?
近年では国内でも徐々にホームステージングが認知されつつあり、専門業者の増加や大手不動産会社の参入が続いている様です。
国内版のホームステージングでは新築マンションのモデルルームの様に単に中古住宅を販売するために部屋をきれいに装飾するだけでなく、片付けや掃除、モノの廃棄・保管、遺品整理、リフォームといった住まいに関わる問題点を体系的に捉えていくのが特徴です。
ホームステージングの家具や備品はレンタルすることになりますが、レンタル期間は3か月程度で、家具のレンタル料を含めたホームステージング費用は、空き家の場合で15~25万円程度が一般的な様です。
しかし万が一3か月間で物件が売却できない場合には、再契約を行うか取りやめるかの判断をします。
日本ホームステージング協会によると、ホームステージングを行った物件の成約までの平均日数は約40日で、通常よりも約1/3に短縮でき、売却価格は平均0.5%アップするとのことです。
しかしこれらのことは、当然物件によって大きく異なるものと思われます。
ただし既に野村不動産アーバンネット、大京グループ、東急リバブル、住友不動産などの大手不動産会社が中古物件売買時にホームステージングを導入している様に、今後は不動産仲介業者はもちろん、賃貸管理業、リフォーム業、ハウスクリーニング業、運送業など様々な業界に広がっていく可能性があるでしょう。
我が国が抱える大きな住宅問題の一つに「空き家の増加」があります。
空き家の解消を促進するためには、中古住宅の流通活性化が不可欠です。
中古住宅流通活性化の実現を強く願う一人として、今後のホームステージングの動向に注目していきたいと思います。