木材の腐朽菌と含水率

先週の土曜日は朝7時前に事務所を出て、大手ハウスメーカーからの依頼で横浜市緑区の建物調査に行ってきました。
横浜といえば港町のイメージですが、住宅地の中を車で走っていると坂道が非常に多い事に気付きます。
高い崖の擁壁の上に建つ住宅が多いのが印象的でした。

さて、木材は非常に寿命が長い優れた建築資材です。
我が国の住宅で使用されている一般的なマツやスギで500年以上の寿命があるとされています。

しかし、木材中の水分(木材含水率)が25%を超えると木材腐朽菌が活性化して腐りやすくなると言われています。
また腐朽菌が発生する様な環境は、湿度も高く、カビやダニ、白蟻なども発生しやすくなって、健康にもよくありません。

下の写真は雨漏りが発生した直後に小屋裏調査を行い、小屋組の木材の水分量を計測した時のものですが、25%を超えてしまっていました。湿度も非常に高く、撮影するカメラのレンズが曇ってしまうほどです。
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住宅に使用される構造材の含水率は20%以下とされ、含水率が15~18%になると木材の収縮や変形もほとんどなくなるといわれています。
木材の品質基準であるJAS規格では、含水率18%~20%の用材を乾燥材の規格としています。

しかし、湿度が高く風通しの悪い床下や、雨漏りがある小屋裏などの木材の含水率は25%を大きく超えている事もあり、建物の耐久性を大きく損ねている事も珍しくありません。他には浴室、洗面所などの水廻り、雨水の跳ね返る場所や結露しやすい場所なども要注意です。

木材は雨や水に濡れてもそのあとすぐに乾けば、簡単に腐る事はありません。長い間湿気が多い状態が続くと、その場所から木材腐朽菌が発生して木を腐らせる原因になるのです。

家を長持ちさせるためには、通風や換気など木材が乾燥しやすい環境を作る事が非常に重要です。
雨漏りや水漏れ、結露などを発見したら手遅れにならない様、早めに対策を講じる事が大切です。

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雨漏りによる腐食。こうなってしまう前に対策を!

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