パナホームの木造住宅

大塚家具が今月5日、2016年12月の業績予想を再び下方修正し、43億円の赤字になる見通しだと発表しました。
会員制のしくみを廃止して、気軽に来店してもらう販売方法が、今のところ成果が表れていない様子ですが、販売方法云々よりも、家具販売というビジネス自体が厳しい時代になったのかもしれません。

さて、パナホームは、2016年8月22日から木造軸組構造の新商品「アーティム」を販売すると発表しました。
これに併せて、駒沢公園ハウジングギャラリー内にモデルハウスをオープンし、2020年度までに100棟販売するとの目標も発表しています。(販売地域は東京都のみ。参考プランは2階建、延床面積50坪で税別 約6,500万円!)
この新商品は、自然素材感溢れる木製サッシや、土の質感を出す外壁、上質な無垢のフローリングなどを採用し、こだわりある富裕層をターゲットにしている様です。販売価格から、営業エリアや顧客層も限定されると思うので、販売目標が控えめなのはやむを得ないでしょう。
また、30年長期保証延長システムや60年長期メンテナンスサポートなど、❝プレミアムオーダーハウス❞に相応しい専属チーム・サポート体制を構築するとの事。

パナホームが木造軸組工法を採用したワケ

パナホームといえば、軽量鉄骨造や大型パネル構造の認定工法住宅で有名ですが、この新商品は木造のオープン工法なので、大変意外に思います。
しかし、常に不透明性が残る認定工法から、木造のオープン工法になった事は、建物診断を行う立場からはとても望ましい事です。

パナホームでは、木造の住まいとした理由は、設計自由度が高く、「富裕層のニーズに柔軟に対応できるため」としています。
これにより、戸建住宅の商品ラインアップの拡充を図り、多様なニーズに対応できる様にするのが狙いでしょう。
鉄骨造の認定規格住宅では、1㎝単位の設計などできないので、やむを得ません。
また、木造住宅用の耐震ダンパーを新たに開発し、高い耐震性を追求するとの事で、他社の木造住宅との差別化も怠っていません。

しかし、どんなに優れた商品でも、しっかりとした施工管理ができなければ意味がありません。
長年、認定工法住宅をメインにしていた技術者が、木造軸組工法のしっかりとした設計監理や施工管理ができるかどうかが、品質確保の面で大きな課題になると思います。

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