建築現場の職人

建築現場では様々な職人が関わって、それぞれの役割を果たしています。
家を建てるためには、これらひとりひとりの職人の存在は欠かす事ができません。
それでは1軒の木造住宅が出来上がるまでに、どんな職人が関わっているのでしょうか?

1、解体屋      建て替えの際に、既存の住宅の解体工事を行います。
2、杭工事屋     地盤調査の結果、必要と判断された場合に杭打ち工事を行います。
3、基礎工事屋    以前はとび職が基礎工事と足場組を行っていましたが、近年では分業化されつつあります。
           ビル等の大きな現場では、更に細分化されて、土工、鉄筋工、型枠大工などがそれぞれの専門分野を
           担当します。
4、足場屋      作業用の足場を組みます。建物が完成すると解体されてしまうものですが、足場の良し悪しによって
           作業性が大きく変わってしまうので、重要な役割です。
5、大工       住宅の現場では、中心的な役割を果たします。2×4工法の現場では、構造体を組み立てるフレーミング
           大工と造作大工に分かれます。
6、左官屋      以前は大工に次いで中心的役割を担って、外壁や内壁を仕上げていましたが、近年の住宅では出番が
           少なくなりました。珪藻土や漆喰壁、本格的和室の京壁仕上げ等がない住宅では、あまり見かける事
           はないかもしれません。
7、タイル屋     左官屋と同様に、近年は玄関土間のタイル貼位しか出番がありません。
8、瓦屋(屋根屋)   近年では瓦屋根の住宅が少なくなったので、瓦以外の屋根工事も行う事が多くなりました。
9、板金屋      金属屋根のみでなく、スレート屋根等の工事も行っています。雨樋工事も板金屋の仕事です。
10、防水屋      バルコニーの防水工事などを行います。
11、サッシ屋     現場にサッシや玄関ドアを納品しますが、取付は大工が行うので、新築現場で作業する事はあまり
           ありません。           
12、建具屋      主に室内の木製建具を製作して取り付けますが、近年では建具は既製品を使用して大工が取り付け
           を行うので、あまり出番がありません。
13、サイディング屋  近年の住宅では、サイディングが外壁材の主流となっています。  
14、塗装屋      以前は外壁塗装や、室内の木部塗装等を行っていましたが、近年の新築現場ではあまり出番がありま
           せん。
15、内装屋      室内のビニールクロス貼等を行います。サイディング屋と同様、近年の住宅工事には欠かせません。
16、防蟻屋      白蟻被害予防のための工事を行います。
17、畳屋       近年の住宅では、出番のない事も多くなりました。
18、水道屋      給排水の配管工事や衛生設備機器の取り付けなどを行います。
19、ガス屋      ガスの配管工事を行います。
20、電気屋      電灯やコンセント等の電気配線を行います。近年ではLAN配線やホームセキュリティー、映像・音響
           設備等仕事内容が多岐に渡っています。
21、クリーニング屋  完成時の室内クリーニング等を行います。
22、外構屋      ブロック屋や左官屋、タイル屋、造園屋、植木屋などを抱えていて、門や塀、庭などの外構工事を
           一括して請け負う事が多くなっています。           

他にも、在来工法住宅の木材加工を行うプレカット屋やユニットバス屋、キッチン屋、傷補修を行うリペア屋等の専門職、工事内容によっては、鉄骨屋、ガラス屋、石屋、吹付断熱屋、金属加工屋、家具屋、カーテン屋、エアコン屋(空調工事)など、住宅が完成するまでには様々な職人が関わっています。

建築現場に「絶対安全」がない理由

現場監督は、自ら作成した工程表をもとに、これらの職人を手配して、指導・監督しながら設計図通りに1軒の住宅を完成させます。
建築士も現場の工事監理を行う義務があるのですが、設計・施工を一括して請け負う住宅会社の現場では、あまり見かける事
がありません。
しかし、この中のたったひとりのミスが、欠陥住宅の原因になってしまう事もあるのです。
20年前と比較すれば、工場で生産された部材を使用する事が増えたとはいえ、現場での作業はいまだにほとんどが手作業です。

建築現場には、「絶対安全」という事がない理由を少し理解していただけましたでしょうか?
住宅会社は、一部の例外を除き、ほとんどの会社が意図的に手抜き工事を行って欠陥住宅を建てているわけではありません。
それでも欠陥住宅がなくならないのは、住宅が数多くの職人の手作業で作られている事が大きな要因なのです。
特に、現在の新築住宅よりも多くの職人を必要とした築20年以上の住宅については、隠れた欠陥がある可能性が高いといえます。

 
建築現場[1]

千葉市のホームインスペクション専門会社匠住宅診断サービスTopへ戻る